■2008/12/10(水)
 Vol.959
本番初日、ホテルの庭で飼われている、 コケコッコーの鳴き声で目覚める。 東京では一年を通して一日もない早寝早起き、 一行は昨日の疲れでまだ眠っている。 一人朝焼けの庭と海岸を散歩。 ベランダで久しお茶を飲む。 不健康にどっぷり浸かった俺が、 健康を感じられる一日の朝を何時も一人起きて楽しんでいる。
七時になれば全員ホテルのレストランに集まってくる。 朝食はおかゆ一杯に日本流のものも手につけて、 コーヒーを二杯頂く。 ホテルのプールサイドの脇で、 一人三枚づつのバスタオルを借りていざ乗船。 昨年来た時は毎日毎日がサメづくし、 逢いたい、見たいサメ達にこれでもかと, 思えるほど逢えて、大満足だったが、 今年はどうなんだろう。
桟橋を歩いて行くと、 昨年と同じ42フィートのクルーザーと、 三人のお馴染みの乗務員の顔ぶれが見てとれる。
[写真:959]
「お早う、よろしくな」
とワクワク、
「お帰りなさい」
とキャプテンのモーガン、助手のアレン。 それに昨年からお世話になった日本人インストラクターの優くんの、 三人が仲間か、友達を迎えるように待っててくれた。 キャプテンモーガンとは10年以上前からのふれあい。 パラオの海を知るモーガンに、 ずい分と俺の大好きな海を楽しませてもらっている。 優くんも一年経って少年が又少し逞しくなって見える。
「会長、今年も逢えて嬉しいです」
「商売気で話すんじゃねぇ(笑)優、サメな、サメ」
「分かってますよ、そうなりますよネ」
そう言いながらも俺は鮫好きだが優は今だそうでもないらしい(笑)
桟橋を出船すると、 すぐに二階のデッキに登ってキャプテンをどけて、 クルーザーの運転をする。 おだやかな青い海を走って、 遠くに見える多くの島々に向って進み、 二時間弱で外海に出て、一潜り。 今年のメンツは恒と小鉄の元気者が加わったことで、 始めっから突撃態勢を取る。
「半分はペットボトルを持て」
恐ろしさを知ってか知らずしてか(笑) 命令通りに海に入って、 少々潜っちゃ、べコボコ、べコボコと、 ペットボトルを握ってならす。 これって本当は危険。 ただでさえ何時襲ってくるか分からん鮫を、 興奮させて引き寄せる音、 この音は鮫にとっては弱った獲物の、 骨のこすれる音として伝わるらしい。
「正直皆さんは絶対マネしないで下さいよ!!!!!」
危ないス、まじ危ないスよ。 俺はこのまじ危ないっていう範囲がけっこうお好み、 ですからオッ凄エーとは思うが、 それ以上の恐怖感を漂わすことがない。 恐さより楽しみ凄さがたいがい勝っている体質なんです(笑) ぶるったり、恐がったりする人がやれば、 それは強者鮫さんにイチコロです。 鮫さんパニクらせ、こっちもパニクったら、 死者が出ます(笑)
[写真:959a]
一潜り目は、 俺には少々物足りなかったが、 慣れないもんには丁度なぐらいな鮫が海面下に現れてくれる。 五、六匹の1m台の鮫が、 ペットボトルのボキボキ、ボコボコにひかれて、 スーッと上って来る。 皆んなは鮫が近づくと、動かす手を止めてしまうが、 俺一人向かって来る鮫を見つけちゃ一人潜って追いかける。 噛み付かれるわけにゃいかないが、 瞬間でもいいからこの手でタッチすることを望んでいる。 海中ではさすが鮫さん、 動きが速くて追っても追っても、手が届かない(笑) 鮫を追っていると真下に銀色を青黒い集合体が見てとれる。 何100体という鮫クラスの大きさの、 バラクーダの大群にぶち当たり感動。
場所を変えて二本目を潜った時は、 一行も鮫の出現に大分慣れてきた様子がうかがえる。 これならOK、食われる心配が少し減る(笑) そこそこ鮫が来てくれて、そこそこ追いかけて、 楽しんで、うねりの少ない入り江に船を留めて、昼食。 慣れないせいか、理絵や小鉄や数人が、 海のうねりで酔っている。 デッキやベットで皆んなは眠ったり休む。 一人起き上がっているデッキの上の、目の前の海を、 飛び魚が100m以上も飛んでいる。
「イルカ!!」
[写真:959b]
とモーガンの声、 さあーっと海を見渡すと、 数匹のイルカがドルフィンキックしながら、 ジャンプして見せてくれる。
「モーガン、追おう」
船の先端に立つ。 遠方でドルフィンキックが見える。 眠っていた者、船酔いしていた者も全員、 飛び起きて感動の声があがる。 四匹のイルカがすーッと船に寄って来てくれて、 二頭のイルカが俺の真下の海を、 船のスピードに合わせて泳いでくれる。 他の海ではイルカと伴に海中で遊んだこともあるが、 パラオの海でのイルカは初遭遇。 まさかと思う良き出逢いに俺も一同も大感激!!
自然、大自然って何でこれほどまでも次から次へと、 感動を与えてくれるんだろう。 その感動を冷ます事件をジーコが引き起こす。 又ね。
雀鬼

[写真:959c]
パラオでお世話になった、優くん、モーガン船長、アレン、 HP見てくれてるでしょうか? いよいよ船に乗って鮫の待つ外海にGO!! 文中にあるペットボトルを海中でつぶす裏技はマジで危ないです。 どこでやっても鮫が興奮状態で遠くからでも寄ってきます。 自分等は会長が側にいるので安心してやってますが、 鮫が出る海域では、冗談でもやっちゃダメですよ。
そして鮫と会った後、船で休んでいると、 パラオでは珍しいイルカの大群が、遊びに来てくれました。 自分も野生のイルカを見るのは初めてだったので大興奮しました。 ドルフィンジャンプも見せてもらったし、 船と一緒に高速で泳いでくれた時はスゴイとしか言いようが無かったです。 会長が船の舳先に立たれた時から、 これは何かが起きると思っていましたが想像以上でした。 そしてその感動を冷ますジーコ、彼は一体何をしてしまうのでしょうか? 外海一日目の後編を楽しみにお待ち下さい。 (2008年のパラオを一生忘れないジーコ) (ジーコ)

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