■2008/08/22(金)
 Vol.856
毎日が違うもんだ。昨日はちょっと潜りすぎて耳が聞こえない。
台所で何人かで朝食を作ったり、誰かが何かを音を出しているのに淋しい。しーんとしている。何んか人は見えてるんだが、音が入ってこないと一人ぽっちのようなんです。
別荘には町田トップのチャッペと下北トップのしげるが来ている。二人には一年を通して道場を守り通してくれたんだから、うーんと楽しんで欲しい。
毎日、美味い料理を作ってくれたノックが帰っちゃって、いねむりのコジさんがやって来た。彼は一年を通して起きていても、眠っていても、寝てる。存在自体が眠りマンなのだ(笑)
昨日も朝から原稿を仕上げ「コーヒーをお願いします。」何時もそばにいてくれるジーコさんがさっといれてくる。
一口頂く。旨い、たまらなく旨い。
旨いぞと皆んなに一口づつ飲ましてあげる。俺の身体を心配してくれたか、塩がどっぷりと入っている。
上手になった者が教えたはずなんだが、新人の元郎は潜れるが、海ん中で何も見つけられないと聞く。
海が不安で怖くてたまらんと顔をしたパゲラもやって来ていた。
ならばおいで、俺がツアーコンダクターをやったるから。
二人には今まで海ん中の岩としか見れなかった数m泳いだところの浅瀬に、もうサザエが岩と岩の間にはさまって見える。ちょいと潜ってこれがサザエだからねといっても、二人は目ん玉ひろげてキョトンとしている。このレベルなんだと、2人の実力を計って置く。
そのままちょっとした深場に向く。7mぐらい下にタコが岩の上に足をひろげてへばりついている。
「元郎タコだ。」
と、少々潜ってモリの先に居場所を示してやる。元郎、潜る方向が少しずれてる。俺もそばまで潜って、それいけと思っているんだが、タコの上で元郎がモリもさせずにモタついている。タコだってそうは甘くない。元郎に黒いすみをひっかけて近場の岩の下へ俺を馬鹿にしていた元郎君がタコに馬鹿にされ、海中で笑っちまった。
かまわず俺の前を泳いでしまう元郎を何度も後へ引っ張る。元郎やパゲラが海面を泳ぐだけで魚達は皆んな身をかくしてしまう。
砂地に平目、岩場にイシダイ。次から次へとほどよい魚に近づく。タコを逃すようじゃお二人さんにはとても無理。ちょっと深場で海面から岩に同化するサザエを指で示してやるが、彼等には岩は岩らしい。
仕方がないからさあーと潜って、モリである場所を何度も指して海上を見上げ、ここまで来いよと呼ぶ。
元郎は泳ぎつけるがパゲラは少し手前でギブアップ。必死で海面を目指す。パゲラを何度も海面まで押し上げてやる。次から次へと体験させるパゲラも、最後に必死に潜って獲物まで手がとどく。
「やった。」
というパゲラの顔をすぐ近くまで潜っていた俺の目に映る。見えなかったものが見えて、とても無理だたと思っていたことが出来る。
元郎やパゲラという初級者だからこそ味わえる喜びなんです。
彼等の喜びと交換で俺の耳は全く音を通さなくなって、皆んなの冷えた身体を温めるためにたき火番長をつとめる。
水は水、火は火として神秘な姿を感じていた。
それにしても昨日は寒くってしょっぱかったなー(笑)
雀鬼

[写真:856]

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