■2006/03/25(土)
 Vol.78
WBCが終った夜、久し振りに寝ちゃった。
日本国中、世界野球優勝で盛り上っている。そんなことは知ったことじゃない。ただの好成績、勝利に浮かれている連中とは、悪いけんど、共通点がない。終ったあくる日は、その様子をちらっと、うかがっただけ。スポーツ新聞にもろくに目を通してない。国民達の馬鹿騒ぎに、勝つと集る、金にむらがっている感じが、嫌らしく感じてしまう。
イチロー先生に思う。小泉首相とか政治家や財界人とは、逢うことを拒否して欲しい。あの巨人の大物が、
「たかが選手」
という言葉を発した。今や、イチロー君は、国民的ヒーローである。国民のヒーローが、
「たかが政財界」
を牛耳る連中なんぞ、相手にしなくとも良い。
王監督とイチロー選手は、野球という現場の職人であり続けて来られた。本物の職人さんは、
「大名が大金を積んでも嫌らしい仕事は受けないが、気に入れば、金が入らなくとも動く」
これからの野球人生は、真の野球人として、子供達や若い人達だけに、正しい指導を教えてやって欲しいものだ。
今日びのスポーツ界全体は、商業主義が強く、政治にも利用されている。私のもとへやって来る高校野球の指導者に、正しさや清さは感じ取れない。むしろ内面に隠された、ずるさや、したたかさを見て取る。
「何かがあるから頑張る」
というより、
「何かを真剣にやったら、何かが生れた」
という経過の大切さを学び、良い結果を生むということが、今回のWBCの王ジャパンであり、それを選手達が見せてくれたからこそ、イチローさん、皆が感動したんだよね。勝つがために、卑怯なこと、いやしいこと、恥ずかしいことを入れない。毒素を調味料にして勝つからこそ、
「勝ちの中に正義がない」
という俺の理論が出来てしまう。今回の勝利にはそういう意味で毒が入ってない。珍しい良い勝利を見せて頂きました。それにしても、キューバという国の選手達は何かを持っていたよな。アメリカに近い国でありながら、カストロという強い指導者が存在して、真正面から大国に小国が、政治的にも自立している。日本の優勝の裏で、野球大国を越えた準優勝も、俺の望み通り。
フランスでは、政治に対する反対デモで、若者達が大挙して立ち上っている。日本の若者達も、豊かさの中の
「肥の中で」
肥満化せずに、悪いと思うことに流されずに、立ち上り、立ち向かって欲しいものです。
それにしても、俺の、
「イチローを見たくなったよ」
という言葉で、日本で行なわれた、予選3試合の、イチローさんのすぐそばのチケットを三日間分抑えてくれた、清水君には感謝しております。
雀鬼
                  
[写真:078]

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