■2008/04/04(金)
≪ Vol.734
2番バッター甲野善紀先生。
「声はすれど姿が見えぬ」
ありゃりゃ。あれほどの存在感を持たれた、甲野先生の姿が舞台に居ない。
久し時が過ぎてふと隣を見ると、
「私って小さい頃、極度の恥かしがりでしてねぇー」
と、じっと隣に座る、俺の椅子を見つめている甲野先生の姿が現れる。
俺が相談役に使わして頂いた忍術(?)とは違う。あの巨木たる甲野先生が、子供の頃の自分に還っていなさる。
「先生、下を向かないで、真っ直ぐ見ましょうよ」
と問うても、やっぱし、俺の方をちらりと見てイスに目を向ける。
「先生。人とお話される時は、人の目を見ましょうよ」
とさらに突っ込む。
俺の中では、これから話されるどんなお話よりも、甲野先生があれほど童心に還られた姿を見られたことが最高に嬉しかった。
あの瞬間、甲野先生と手と手を握り合って、
「やったぜ、ベイビィ」
と呼びたくなるほど感激した。
三先生は、明日が早かったり多忙に追われたり、中座を惜しまれる姿があった。
しかし甲野先生は、二次会の最後の最後まで、我々が次から次へと引き起こす、馬鹿っぷりや、落っこちに、時には苦悩し(笑)、それ以上に笑顔が自然にうまれ、場内に一点の明かりを灯し続けてくれていた。
丸い来賓席のテーブルに一人残って、最後に舞台で
「雀鬼会の皆が、桜井会長の生命維持装置になっているのを、まさに感じた」
流石は先生、朝から体調をくずされている中、その日一日の全てを見て、的確な的を一言で言い当てて下さった。
会が終わってからも、あっちらこちらから、甲野先生が身近に感じられたという声を聞く。
「それだけでいいんだ!!」
その意味は、先生と道場生等が感じ合えたということで、パーティーは大成功だったんだよ、という俺の気持ちが動く。
甲野先生も凄い人。それを乗り越えた壁の向こうに、もっともっと素敵な先生の存在を、今回見つけた者達が何人いたことだろう。
俺を筆頭に、町田勢は確実に新しい甲野先生を発見できて、皆して甲野先生との距離感が自然に近くなった、喜びの声が舞い上がっていた。
「甲野先生もかわいいよな」
だろう、みんな。
雀鬼
[写真:734]
最後、甲野先生のお話で、引き潮の後にあった意味に気付いた方も多かったようですね。最後までありがとうございました(花岡)。
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