■2006/02/11(土)
≪ Vol.37
身体の悪い人、心に邪悪が入り込んじまった人、俺んとこ来いよ、治療してやっからさぁ。おっと!予約は来年先まで埋まってました、残念!
二日後には、南の国へジンベエに逢いに行くので歯の点検の為、町田道場の前の岩本歯科に行く。なぜ歯科の名前を出すかというと、深い意味があるからです。
岩本院長先生は、実は俺の下北沢時代の中学の後輩でしてそんな訳で18年ぐらい前から、歯の治療を受けている。奴が名医なのか、ヤブ医者なのか、俺は専門外だから分からない。ある時など、歯が痛むので、「治せ!痛い治療したらぶっ飛ばすぞ!」と言ってる矢先に、一気に三本か四本の歯を抜かれてしまった事もある。
奴は若い頃、俺の作った野球チームにいたこともある(ヘボ)。その上、雀鬼会にも昔、入っていた時期もあったが、医者特有の特権意識か、生来の素質である自意識過剰のエゴ将軍なのか、すぐに雀鬼会を破門になった。とにもかくにも、遊びごとが大好きな、大人の遊び人。だから、三道楽どころじゃとても収まらない十道楽者。何だかんだで20年ぐらいのくされ縁で、俺の前でも数々の不始末を起こす。
みなさんもそうだと思うが、医者、病院ときたら、刑務所より行きたかない。でもさあ、医者と名がつけば、社会のステータスはかなり高いんだけど、人格は別物だよね。その彼の人格のすばらしさを、一つ紹介しよう。みなさん、決して真似はしないでください。
実は奴は私のゴルフの先生でもあってねえ、十数年前、まだゴルフが大人のゲームだった頃岩本先生と、その団体の2の藤枝という男に連れられて朝早くから、ゴルフのグリーンに誘われた。奴らはそりゃあ、遊び人だからアマの中でもかなりゴルフがうまい。本来なら、初心者の俺が組む面子では無いのです。
案の定、「会長、会長」と建前上、建てた振りするが、1ホール目から、彼らは飛ばす。俺は半分も飛ばない。お世辞野郎の藤枝が「会長、ナイスショットです」と声を掛けるが、その日は、その一球だけ。残りのコースは最後に打つ。俺が打つ前に奴等は、声を掛けるどころか見もしないで、スタコラサッサと、前へ歩いていってしまう。何ゆえに、こんな小僧等の背中を追って俺が走り、汗を流さなければならぬものか。全くもって、けしからん、無礼者。まあ、そこは奴等は上手、俺は下手ということで許さねばなるまい。
そんなある時、彼らの背中を追い続けた俺は、長めのラフの中に隠れてあった水溜りの中に、足を取られ、不覚にも足を痛めてしまった。痛い。かなり痛いが歯を食いしばって、岩本たちの背中を追う。残りのホールを廻った頃には、冷や汗が出ていた。
インをどうにか廻ったところでお医者様方が「どうされました?」と聞いてくる。見れば分かるだろう、と二倍に膨らんじまった足首を見せる。
「痛いですか?」
お前ら、仮にも医者!仮にも俺のずーっと年の離れた後輩!仮にも!……もういい。俺の足の膨らみも激痛も分からぬのか?
が、更にこの医者どもは、休憩も入れずに、
「このままアウトへ行きましょう」
なんて言って歩いていってしまう。待て!なにくそ、っと片足だけでアウトの1ホールまで辿り着くが、左足がまったく地に付けられない状態で、これ以上は、無理の無理。
「会長どうします?行けます?」
この心無い問いかけ。とうとう俺もリタイヤのギブアップ。お医者達はそんな俺を見捨てて、楽しそうに白いボールを、追いかけて行ってしまった。あの時ほど、ゴルフボールが黒く見えたことはない。
片足で一人手で痛みをこらえながらハウスに戻り、イスに座る。彼らがラウンドを終えて帰るのを待つが、体はどんどん寒くなるわ、激痛は走るわで、お医者様方が帰って来るのを、ただひたすら待つが、小便がしたくなり、膝まづいたままで、どうにか用を足す。情けなさや屈辱を超えた痛み。
お医者様方が「今日のゴルフ楽しかったね」という顔をなさってご帰還。俺、俺って犬畜生より劣るケダモノってことかい。
お医者様は皆様、お仕事上、いつも偉い方、立派な方ばかりで常識も教養もマナーも人格もできてらっしゃることよーーっと。寝言は寝てから言えってか。奴等にはどこを取ってもそんなものありゃしねえ!!馬鹿もんを通り越したてめえらこそ、ケダモノだっちゅーの!!これだけは決して譲れねえ。体張ろうが、命を賭けようが、譲れねえってことよ。
その日、本物のお医者さんのところへ行ったら
「こりゃ、手術ですね」
と、骨折した写真を見せられ納得。納得したけんど、その日から医者に行かず今日に至る。
俺は何度かゴルフ雑誌から取材を受けたことがあるが奴等なんてそんな雑誌を読むだけだろうが。俺とお前らじゃ格が違う。その上人格が違うってことだ!!それとも何かい、ゴルフってのは、足が折れた仲間、いや、仲間じゃねえ、大先輩殿を放ったらかしてもやりなさいという、ルールやマナーがあるのかね。ゴルフの先生様よ、歯医者の院長様よ、さあ、さあー、どう返答すんでぇーーー!!
それから久しく経って、俺はゴルフ族を見るのも嫌になったし日本のゴルフ場へは行かなくなって今や藍ちゃん並に、南の国以外ではやっていない。いまだに下手は下手だけんどね。
そんな野郎共が、いや、そんな奴等だからこそか、今や出世をなさってねえ。岩本は百二十名位の団体のテッペンにいて、肥えて太った。藤枝は、青年会議所なんかで2で偉くなっちゃって会社を大きく発展なさっている。
皆さんもこの社会で出世したかったら岩本並びに藤枝先生に聞くことだね。俺、紹介するよ。
まあ、そこの団体に俺の可愛い弟子である、佐々木秀樹が御世話になっていることで、このお話は無かった事に。甘え!俺の足を折ったままにした事と佐々木秀樹は全くの別だ!
何故だか知らねえが、そんな人でなしの御両人のところへ、いまだに通っている。俺って変だ。どうなっているんでしょうね。
全て実話です。許せないと思われる方も、いらっしゃるでしょうが、まあ、彼等も私の後輩ということでこらえてやって下さいませ。
雀鬼
[写真:37]
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