■2006/10/10(火)
 Vol.270
10月9日、突っ走っていた俺の身体が、やっとこさ止まったようだ。
熱っぽい、頭もちょっくら痛い。昨晩は、全てをふり返って反省したり、感謝したり、この世に棲む人間達の在り方を痛感したりしながら、大阪からバスで帰って来る道場生を想っていた。
志村に電話でも入れてみようと思ったが、皆んな大阪の「ふれあいの会」の仕切りで、疲れ込んで寝ているところを起こすのもなんだからとやめた。彼等が多分休める時間になった頃、俺も眠る。お疲れさん、又道場生達を疲れさせてしまったね。
「今日何かあったっけ?」
普通、こういう状態の時に、病気といって「病欠」するんだろうが、俺、小学校入学以来、病欠という体験を忘れている(笑)正直俺ん中では、行きたかねぇ、もうごちそうさんです、という気持ちがあったんだが、後楽園に向かう。
たちの悪い俺の口から、どうせ今日は負けちまうのに、何で俺が行かなきゃなんねぇのよ、と家の者にも、駅まで送りに来ていた道場生等にもはく(笑)俺の心ない不届きな言動のためか、応援すべきボクサーは判定負け、メインの世界タイトル戦も見ずに、帰って来てしまう。
会場に着いて、選手控え室に入り、俺が入って来たことに気付かないK選手の後ろ姿に、減量失敗(?)を瞬間に感じ取る。気になったんで、そばにつくトレーナーの木津ちゃんに、普段口に出したことがない
「減量はどうだったい?」
「いや、あれこれやってまずまずです」
そうかなー、心配でなければ俺、そこから入って行かねぇのになー。
念のため、プログラムに写る対戦相手の写真を見る。左右の動きはしっかり見えるが、前後に弱点が見える。K選手の方も一応確認すると、右側に危さを、びんと感じ取る。
試合の方は、縦の線を攻めた1RはK選手が上回り、相手選手が嫌がってるのを感じる。やっぱりなー、と思っていたんだが、左右とアッパーを狙うK選手は、中盤を前にして動きが止まり、受けに回る。スタミナ切れである。まぁ俺の感じた通りだったが、負け方が良くなかったので、がっくりして帰る。
そのあくる日も、今度は松井の試合があるという。何でよー、負ける試合に、二日連続行かなきゃなんねぇのよー、と思いつつ、会場へ。もう見るのも口を開くのもかったるいや、静かに隠れて試合でも見て、帰ればいいかー、と思いつつ、又控え室へ呼ばれちまった。
初めて見るDEEPという会場だったが、会場が後楽園で、リングを間近に感じられる箱のせいか、この前行ったパンクラスの会場より面白い、それなりの味がある試合が続く。これってもしかしたら、武士道より面白い会場かも知れない。もちろんプライドには敵いませんけれどね。
松井は前回よりよく闘っていたが、相変わらずの不器用(笑)まぁそれが彼の持ち味で、可愛いんですけれどねぇ。とっぽい要領の良さがあって試合を凌ぐより、真っすぐ行っちゃってぶち当たっちまって判定負けした松井の今回は、俺的には気分が良かったよ。
K選手は試合前に、会場に座られる俺を見つけられなかったら負けですねぇ、と言っておきながら、俺の方にも来ず。愛する奥方とお子様の姿すら目に入らず、ただリングを無駄に動き回っているようじゃ、間に合っちゃいませんよね。
あくる日の松井の試合の会場で会ったK選手、
「いや、びっくりしました、実は練習の時右拳を痛めちゃっていて、それをひた隠しにしていたのに、会長に瞬間、右側が弱い、危いぞと言われるし、不安が背中にあったのも見られちゃって・・・」
俺は笑って聞いていた。K選手はダメな敗北。松井は、まあまあいい敗北だったね。
雀鬼

[写真:270]
粋なファニーさん!写真ありがとうございます(^_^)y(花岡)

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