■2006/01/25(水)
 Vol.17
我が親愛なる「木津龍馬の応援団」が発するホームページに目を通す。
がらがらの新幹線の中で、木津君とその子が乗っていたら行儀の良くない、その筋の男が土足で足を投げ上げゴミやビール瓶を散らかし放題の上、ドでかい声で携帯で話をして、いきがっていたらしい。我慢しかねた木津君が、「うるせえな…」とつぶやき、相方の子がその言葉を受けて、そのお兄さんに注意したらしい。そしたら、場面は…分かるよねえ。当然いきがった兄ちゃんは、引っ込む訳ねえ。次の台詞は決り文句の「何か文句あっか!?」続いて「小僧…あぁ?」と来た。ここまでは携帯兄ちゃんの決り文句ですから読んでる俺も文句は無い。でも、その次の台詞が変だっていうのよ。その強面の兄ちゃんの台詞を受けて、我が親愛なる木津ちゃんは、
「うるせー、ボケッ!誰にもの言ってんだ、コラッ!表出ろ!」
と、言っちまった。この台詞は間違ってるよ、木津ちゃん。普通、俺を代表とする一般人は、相手を見て注意するって。そんないかにも恐そうな方には、見て見ぬふりをするのが一般常識、セオリー、マニュアル、処世術ってものじゃないですか。100人中、98人の我々一般人はそうするものだと思う。そんな危ない行動しちゃうのは、木津ちゃんともう一人ぐらいだよ。木津ちゃんは若いから怒りや理不尽や不条理に、真正面から立ち向かう。俺も若い頃は多少はそういう一面があったんだけどねえ。今は年老いて、体力や気力に力不足を感じる今日この頃ですから。
でも、木津ちゃん忘れないでね。100人の中の2人の中に、俺もまだ確実に入っているって事をね。
羨ましいね。俺もその新幹線に乗っていたかったよ。そうなると展開、いや脚本は随分書き直されていたけどね。あとね、木津ちゃん。走っている新幹線から、そんな馬鹿もんと一緒に「表」に出たら、一貫のお終いだから、その台詞は直しておけよ。
[写真:kk2]
「今度出す本の原稿をチェックする木津さんとこの原稿を書いている会長」
今度は俺の話だけど、先日某出版社の打ち上げがあったんだ。俺のなつかしい新宿の蟹道楽でね。担当者が数人、打ち上げなのにお通夜のように座っている。ゲストは一応俺と作家先生とマンガの大家の3人。ところがこのお2人の大人殿は、酒を飲まなくても、訳の分からない専門家なんですが酒が入って酔うと、やっぱり来ました。俺からすれば、その作り上げられた空気ですっかり気持ちが引いていたところに漫画家先生が、俺に向って指を差し
「こいつ、桜井はよぉー、俺の前ではいつでも怖気づいている!!」
と、来たもんだ(彼は俺より年下)。瞬間俺は切れました、秒殺!とは、ならなかった。
笑いと共に赤面までしている俺。木津ちゃんと違って相手は強面でもねえ、漫画家。何か小学生に言われたか、吉本新喜劇を見ているのと同じ。俺が怖気づく……まあ、それはいいとしてもさあ、業界というか、何か一つの事だけを一生懸命やってる人の恐さを感じたよね。何かを描くことで、妄想というか、突然、自分が凄い強い主人公に変身しちまうんだから恐ろしや、恐ろしや。
何かに囚われ、全身全霊で入り込むことは自分を錯覚視する領域に入り込むことでもあるんだよな。俺、思ったよ。例え、何か努力し工夫してその道を達成したとしても決してそういう大人にゃなりたかねえと。怒りにしても、頑張るにしても根っこにひがみや劣等感、被害者意識をエネルギー源にすることは危ないってことだよな。
木津ちゃん、怒ったっていいんだよ。男っうのは、怒り立ち向かわねばならない時があるからこそ普段の自分をしっかりさせておく必要があるんだ。
木津ちゃん、あの漫画家先生、今度は秒殺でいいかな?やっぱ気の毒だからやめとくか。次の楽しみに取っておこうっと。
雀鬼

[写真:kk]

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