■2006/04/22(土)
≪ Vol.104
夕方から下北道場へ行く安田や主だった連中の顔ぶれが居ない。一通り業務に目を通してからHP用の原稿を書きだす。6枚目の原稿用紙がうまる。又、長い文章を書くと、読まれる方の中には怒る人もいる。そこに、怒れる奥方をもつ旦那さんが、「おはようございます」と入ってきた。
恐ろしい奥さんなら、我が家へ帰れば毎度のことだから慣れたもの。家の奥方など俺以上のファイターだから、こちらに戦闘意欲が失せていても、構わず、誰かれなく闘いをいどむ肉食型。雀鬼の嫁なら、角が這えてても、おかしかないが、金棒だって持ってるし、金遣いも凄く荒い。それ以上つっ込むと危ないから、こっちの話はおしまい。
スタッフがコロッケを出してくれた。そのコロッケは俺にとっては只のコロッケではない。俺が幼少の頃から、食した下北沢の古い古い伝統のある肉屋「三吉」の昔風のコロッケで俺にとっては、今や数少ない、お袋様の味である。俺の生まれ育った下北も大きく変わり、昔し味わった、魚屋も、八百屋も、パン屋も皆な消えてしまった。
下北という町は、俺の故郷としてあるが、哀愁は陰をなくしてしまった。昔からの味を残すコロッケを2つ食して残り2つをそばで、アルミのバッチ作りをして遊んでいる安田に渡す。
「お前さん、何を又くだらないモノを卓上で作ってるんだ」
「会長、分かってませんねぇ!この良さが……」
と、瞬間的に返って来たが、何なのか分からん安っぽい桜のマークをつけたアルミなんてぇ全くもって欲しがらない。
「そんなもん家の温舟(一才前の孫)だって、欲しがらねぇよ」
と一言いってやったら、今日はもうやめたと安田が一人遊びをしまう。
安田を見ていると、家の孫の温舟の方が可愛いし、良い子だよと、心底実感できる。安田は道場でくだらん、おもちゃで、遊んでいるし、面と向かって俺に逆らうので、
「安田、この原稿HP用に書き始めたんだけど、もう半分書き足して、竹書房さんのコラムの方へ回すわ」
と丁度居合わせた竹書房の鈴木誠さんに渡す。
「誠、これ、とも子に渡しておいてね。」
「会長。とも子の奴は、今日会長は下北に来られるから、こっちへ顔を出せと言ったんですが、奴は町田に野菜が届くから行きませんと。会長の存在なんて、とも子にとっちゃ野菜以下……」
念のため、とも子殿に、正すと長い間、担当を務めてくれた俺との人間関係の大切さより、レンコンと、ジャガイモを選択したことを認めた。ゴールデンウィーク前ですから原稿をお早めにね、っておっしやっておきながら、レンコンとジャガイモ以下……いいですよそれで、
今、木津さんと食についての大切なお話しを、御本になされていらっしゃるんですから、
「食は大切です。」
特に、レンコンとジャガイモはね。
たまに下北道場へ顔を出せば、女・ハゲに馬鹿にされる。一昔前なら、口より早く手足が、ぶっ飛んで行ったもんだが、今の俺の体力じゃ女・ハゲにもやられっ離し。からきし意気地がなくなっちまったもんだ。よーし、今日から俺も食や日々の暮らしを改善して女はともかく、あの安田ハゲだけは、一発かましてやろうと思いつつ重たい、痛む足を引きずって、最終特急で、鬼嫁が待つ家路に早めに帰る。
只今、午前3時。これから風呂へ入ってだなぁ〜俺の夜は、それから昼頃まで続く……毎度のことです。個人情報が多い文だからHPには載せるなよ。
「敗者に語る資格はないよ」
と、御二人はおっしゃるでしょうが、弱者、敗れた者に対する慈悲のお心があってもよろしいんじゃないでしょうか。
弱った孤独な子羊より
[写真:104]
眉間にしわを寄せ、孤独に悩む「弱った子羊さん」(笑)
≪ [Home]