■2009/01/04(日)
 Vol.976
雀鬼会四天王として、 一時代を築いた須田崇大が若いのに先に逝ってしまった。
麻雀は強かったが、身体は幼少の頃から、 難病があって、道場でも、時々倒れることも多かった。 須田の人生、病いと痛みの連続だった。
今年の春先に新たな病魔に侵され、 ベットで横になる須田を見舞い、 何も言わずに、身体だけをさわり続けてやった。
須田は牌の音スタッフ、 とも子は竹書房さんの、 俺の担当という御縁があって二人は結ばれた。 バリ島へ旅した深夜、 俺の部屋のドアの外に何かを感じて、 ドアを開けると二人が立っていた。
「分かっているから入れば」
と、 それから3時間近く、俺がカメラマンになって、 ホテル中で写真を撮りまくってやる。 その後、とも子と二人きりでホテルの庭の池の前で、 「これから」のことを話し合った。
須田がスタッフを上がり、 とも子だけがずーっと俺の担当を続けてくれていた。 須田は仕事も変わり、忙しい日々を過ごしていた。
「お前は会長と離れんじゃないぞ」
と、とも子は何度となく須田に言われていた。
「会長、須田が会長にお逢いしたいと言ってんですけど」 「いいから仕事して家族をしっかり守ってろ」
と、何度もその度に突き放す。
「会長、赤ちゃんが流産しちゃいました」
と、とも子が大声で泣く。
「そんなことあるもんかあ」 「本当ですか」 「あー、本当だ」
三日経って、とも子から
「赤ちゃんがお腹の中で育ってます」
と吉報が入る。
「会長、奇跡をありがとうございます」 「一度だけだからな」
と冗談も飛んだ。
春先から何度、とも子の泣き声をきいたことだろう。 暮れの行事が終わったら行くからな。
「会長に逢いたい、謝りたい」
と言い続けてくれた須田、 俺が行く前に病魔で亡くなった。
とも子と幼き子のために、 必死に頑張った須田が、 力尽きてしまっていたが、 暮れの29日、 すっ飛んで行くと俺を待ってたかのように、 静かに静かに息を、、、、。
誰も居ない空間で、 須田と俺が2人きりになれる祭壇の前で、
「会長、やっぱり須田は起きてくれませんでした」 「そうだな、とも子覚悟しような」
俺の胸の中で、今度は俺ととも子の瞬があった。 俺は耐えられたが、 とも子の涙で俺の喪服が濡れていく。
とも子、何もしてやれなくてゴメンナ。
須田、先に逝かしてゴメンナ。
謝ったって許しちゃもらえまい。
斎場は雀鬼会選手達の同窓会だった。
道場に戻って、 町田最古参の後藤くんと、 北村のオッチャンと、 町田の今のエースである沓掛と、 須田を想って、 何度も何度も麻雀を打ってあげた。 全てが分かってた上とはいえ、
「つれえょなー。」
雀鬼

[写真:976]

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