■2009/01/03(土)
 Vol.974
謹賀新年。
今日は三日、何時ものように道場に顔を出す。通りすがりの車の中から、知り合いのアパートの窓辺を眺める。恒とチャッペに小鉄までが暮らしているアパートに、正月早々布団が干してある。半分以上布地が破れて、綿がはみ出している。今時ホームレスの方々でも捨ててしまう、ボロ布団が干してある。恒を下から呼ぶ、3人が顔を見せる。
「恒、いい布団だなー」
「ハイ」
と。何でもない様子。恒ちゃんは我々の時代を先行して生活しているんだ(笑)
大晦日は毎度おなじみの俺の好きな「ドリーム」、総合格闘技とK−1の立ち技が混じったリングを観戦させて頂く。試合は18試合もあって、大晦日はショー化された部分が見てとれる。総合の選手である、ムサシ・オーフレイム・川尻選手達が、K−1ルールという相手の土俵に立っても、一歩も引かない男っ気と圧力で、K−1のトップクラスを逆に一方的にKOをする。業界とか専門家に対する疑問が答えとなって示され感激した。
メインの田村対桜庭は、かみ合わず、10年前の凡試合を見せられて、継続の難しさを感じ取った。総合のリングを楽しんで、同行した道場生等とそれぞれの試合の観戦談を語り合いながら、その足で下北道場へ向かい、新年を迎える。
皆して明治神宮へ初詣、世の不況を現す如く参拝者は今までにない混み合い。
「神に願ったって何かしてくれる訳でもない」
[写真:974-2]
深夜3時半に町田駅に着く。足が止まる。しばし動かず、その先に青いビニールをすっぽり被った、ホームレスの方が寝ている。
「他人事とは思えない」
ビニールから出ている足先が欠傷を負っていて、痛みをこらえられずブルブルと動いている。ポケットに手を突っ込み、何枚かの札をそっとビニールの下へ潜らせて置く。神宮で放り投げた賽銭より、こっちの方が意味があるような気がする。
志村の車で家路につく。
「止めて」
暗い横路、
「又ホームレスか」
愚かな俺は元旦から、
「立ちション」
よかねえことやったら、何十年振りかで、
「男の大事なところを」
ファスナーではさむ。痛めたところを手で押さえて家路にたどり着く。痛いところがあったが、冷え切った身体を風呂に、
「うーん、冷てエ」
水風呂だった。これも何かの導きよと、飛び出りゃいいもんを、そのまんま肩まで浸かってしまう(笑)ゆっくりゆっくり温かい湯が、何んか、その湯に感謝している俺がいた。
元旦は道場生等が30人余り集まってくれる。前夜、点滴をうった女房の料理を皆して腹一杯食べられる。ありがたい以上に俺達は、身分不相応、贅沢をさせてもらっている。
祝い日だったが、俺一人暮れから、いやずーっと先から、秘めていた事を、止めて置けずに、口に出してしまう。
誠に済まないことだが、起きたことは致し方ないんだ。楽しみや嬉しさは皆んなと分け合いたいが、出来れば、つらいことは俺一人で止めておきたいが、そうもいかないこともある。
下がりそうな気持ちを、少々上に上げて二日も家族の新年会。何も知らない五人の孫達は大賑わい、知っているってつらいこともあるんだよな。
雀鬼

[写真:974-3]
明けましておめでとうございます。大晦日は「ダイナマイト」観戦に始まって、明治神宮に初詣、元旦には会長の御自宅で新年会と色々ありました。会長のお孫さんはみんな元気いっぱいで、こちらの方が元気をもらいました。会長が、男の大事なところをはさんだり、水風呂に入られたりと、一身に厄を受けております。元日から頭が下がる限りです。(ジーコ)

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