■2008/07/05(土)
 Vol.816
深夜12時、ピンポンが鳴る。 あいにく家のインターホンの調子が悪く、 映像がぼやけ、声も届きにくい。
木々の合間を縫って外玄関に向かう。 あいにく外の道路の電柱の電灯が切れている。 恐さは無いが違和感を感じる。
間柱の外に目深に野球帽を被った 男の目が動物のごとく映る。 真っ暗闇の中の二つの目。 それだけでその男が誰であるかは見当がついていた。
「誰!!」
「生長の家のアインシュタインと言いますが」
「うん」
彼はすでに本名を失って 自分がアインシュタインであると思い続けている。 彼は悪ふざけでもなく、決して嘘をついているわけでもない。
「それで」
「この家の御主人と私の間で電波が繋がっているんで・・・・・」
「あぁ、その電波ならもう切ったよ。だから大丈夫」
と返す。
「ですが、もう一つ、お子様との電波が・・・・・」
「わかった、すぐに始末しておくよ」
その後も飛んじゃっている。
会話が進む。
彼は何年か前に整体師をやりながら どうにか生活をしていた。 その頃からナンバーズくじみたいのを買っちゃ、 俺の方に向かって頭を下げ、拝んでいた。
くじで大当たりでもすれば 苦しい生活から逃れられる。 その上救われたいがために 七つぐらいの名がある宗教に入会していた。
くじは彼を救うことがなく、 その上、どの宗教も彼を救い出してはくれてない様子。
救われることばかりを強く願っていた彼が、 もっとひどい心の病に犯され、 救いようのない行動と言動を止められない姿がわかる。
俺のところへ彼のような心の病の深い者から 電話があったり、手紙がきたり、 声を掛けられることがあることで、 又かよ、この人もかよ、という気持が動く。
やさしくしてあげたかったが、 愛ややさしさが憎悪に変貌することも知っている。
神に従い、願い、救いを求めて 必死だった彼が深く壊れている。 何ででしょう。 悲しいですね。
雀鬼

[写真:816]

 [Home]