■2008/02/16(土)
≪ Vol.704
昨日は俺にとっては最も大切な御方に逢いに行った。来る三月に迎える20周年パーティーへのご案内と別件の私用までおまけにつけて図々しくも女房同伴でご挨拶に伺う。
俺なんかでも、外部の方で世間ではそれなりの方やその道のトップや達人と思われる方々とのお付き合いがあるもんだが、全てを含めて 「人物」 であられる方はたった一人。鍵山秀三郎相談役、その御仁である。
その方を思う気持ちは「尊敬」でも安っぽい。何が何だか俺の度量じゃ計りきれない何かを感じてしまう。知行合わせて凄さや素晴らしさを感じてしまう。お逢いする度に魅力が増してしまうのも何でだかわからない。
私よりも年令も10才ほど高齢。社会的立場もずーと上部に築かれていなさる。日本人の心や行動を少しでも良くしようと日々現場に立って忙しくされている。
それほどの方なのに見ず知らずの犯罪を犯した若者を励まし、更生への道に力を注ぐ。その青年が出所した折りには仕事先まで決めておられる。親に捨てられたようなグレるしかなかった子等にも何が必要かその子の大切な心の中に何かを届けなさってもいる。
慈善とかボランティアとか篤志家が行うこととも異なる。相談役が気付いたり、小さい縁の糸の結びつきから放っておけない性質なのだろうか。
御傍に控えられる阿部さんや新上さんも「凄い方ですよ」と何気なくおっしゃる相談役は、ブラジルの掃除に行かれる機内も長時間エコノミー。日々動かれる新幹線もグリーン車には決して乗って下さらないという。
我々が汚す便所も素手でムンズとつかんできれいになさる方はグリーン車にふんぞり返って乗る人種がお嫌いらしい。俺なんかも正直言ってとうにこっちのクラス(笑)飾ったり、気取ったり、えばったりを捨てて生きてなさる。それは充分承知の上。
「相談役、これからは御身体のことを気遣って御身体をもう少し楽な方へ乗せて下さい」
と申し述べる。
この方は何ていう御方なんでしょう。この日も私共が到着する時間に玄関の前の道路まで出て新上さんが迎えて下さる。早くお目にかかっても、遅れてもいけないという私の一存で新上さんに案内されて、喫煙所で一服。相談役が嫌われることを俺はやっちゃっている。お逢いする以上、俺なんかかっこうつけたって通るわけもない。何時もの通り素のまんまのスッピン。
相談役に出迎えられて、阿部さん新上さんという何時もの楽しいメンツで応接間でお茶を頂く。私の好きそうなお話やためになるお話をユーモアいっぱいでお話して下さる。話がはずむ。
「灰皿をお持ちしなさい」
ありえない!!
二度目の催促で新ちゃんもその場の空気を読んで本当に灰皿を用意して下さる。俺、その灰皿を食ってしまおうと思ったがやめといた。なんてこの方々は凄いことやるんだろうと一本取られるばかりで、タバコ一本吸えるわけはなかった(笑)
帰りには相談役自ら下の駐車場まで来て送って下さる。同行している新ちゃんに
「相談役にとっちゃ俺なんか道を誤った若者達と同じなんだよね」
「いや、私もビックリしました、灰皿・・・・・」
今のところは相談役に可愛がって頂いているのは確かなようです。
雀鬼
[写真:704]
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