■2006/12/12(火)
≪ Vol.345
安田も金村も出てこれないということで、影の薄くなった下北本部の月例会の方を選択して行く。
ちょいと目を離していたら、下北本部が囚われた囲いの存在にあっという間に変化をしちまって、健康マニアやオタクでなければ人にあらず、みたいな空気が流れていた。
自然体の健康は俺の好むところだが、俺の今までの人生にやみくもに健康に依存することは拒否していた。ですから、道場に流れる空気に違和感とくさい臭いを感じ、我が道場なのに気持ち悪さを感じるし、気分すら悪くなっていたのも事実である。それは「良否」で判断できる分野でなく、俺の本能が指令してくるのだから俺はそれに従う他はない。
「人は自然の上にあるものでなく、自然に従って生きればいい」
と答えが決まっている。
今日の人々は自然を犯し壊すことはあっても、生活感の中に共存することは忘れている。本来共存すらもおこがましいんだよ。本来の姿である自然に従うことで、ありのままの姿を取り戻せよう。それ以外には、社会を正しい方向へ変える方法はないのです。
来ないと思っていた安田が来ていた。
「何でお前いるのよ。お前が来ないと報告を受けたから、町田の月例会を選ばずにこっちへやって来たのによ」
そこへ、青白い顔をした繁がいつも通りにやって来た。首を痛めた様子で、大きく片方へ身を傾けている。胸から上が全く動かせず、痛みが相当ありそうなのはわかる。
「会長お願いします」
そんな繁を見た、囚われやすい安田が俺に指示を与える。
「お前が治してやれよ」
「会長、健康研究家と実践派は違いますので、一つお願いします」
俺は、決してその道の専門家ではない。それだけは断じて言える(笑)。気になるものがそばにいるからと、それだけの気持ちで、気付くと繁の身体を触っていた。俺の身体が「気」のせいか凄え熱くなってくる。繁は気持ちよさそうに横になり、俺は身体から汗を流す。
「どうよ繁、動いてみて」
繁が、先ほどまでの痛みが消えたように道場中を動き回る。長年使わなかった胸から首へかけての動きを止めていたのは繁自身。それを、少し動かせるように導いただけ(笑)
繁の身体を手当てして、他の道場生で萎縮したり、何をやっていいのか分からん空気にいる者を、一人二人つかまえては、言葉と身体で遊んでやる。
手当てというより、技をかけられ、極められた者もいる。こういうことが、最も大切なこと。これが、相手の
「心をひらき、行動を素直にさせる」
コツなのです。
いじられた子達は、その後みんな「すくわれた」気分になっている。
「誰か俺ん家へ行って、孫の温舟を呼んで来てくれ」
無性に孫と遊びたくなっちまった俺がいた。
夜が更けて、帰りは深夜を迎えようとした。孫は寝ていて当然の時刻。楽しみは明日かと家路につくと、俺の今の願いをかなえるかのように、温舟が2階から降りてきて、一時間以上も遊ぶことができた。それもこれも、繁のおかげかもしれないな(笑)
雀鬼
[写真:345]
≪ [Home]