■2006/12/05(火)
≪ Vol.338
神山さん(アエラ)の取材とかで新宿の街を歩く。
時が経つのは早いもの、昨日までそこにあったと思う店が変わってしまっている。遠い思い出が詰まった街角に立って、40年前の様相を立ち話する。
あの雀荘この雀荘も今は姿が消えてしまっている。立ち行く歩む人達も見知らぬ人ばかり。その頃なら、どこを歩いていても
「オッス」
と声を掛け合った。
何人かの街っ子が俺を見つけて握手を望む。向こうは知っても俺知らずの関係、同じ触れ合いでも大きく変わってしまった。
若い頃に通った店へ顔を出す。店内は混み合っていた。隅のカウンターが座りにくそうに空いていた。古株の店員が気付き社長も迎えに出てくれた。
「お待ちしておりました」
と奥まった窓辺の上席に案内される。
「予約しておいたのですか?」
と神山さん。
「いや、突然だよ」
その通りに答える。
「今日は来られると思っていました」
と温かい店員の言葉。
今は何年に一度しか行かない店なのにこっちにも思い出があればあちら様にも哀愁が漂う。
歌舞伎町の店は多く変わってしまったり消えてしまったが、今でも残る店には数日前と変わらぬ出会いがあった。なくなった店のことを数えても仕方がねえのに神山さんは俺の歌舞伎町時代や昔話を聞いてくる。
「思い出はあるが昔話や記憶はあやふやと言うより捏造」
と答えておいた。
今日始めて巻いたマフラーも帰りには俺の首から消え落ちていた。
雀鬼
[写真:338]
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