■2014/5/17(土)
 Vol.3152
爪切りしていた。
「ボクがやってあげる」
「そうかい」
幼児ながら力を入れる。
指にいっちまう。
血が吹き出る。
アオトがサーと走って、 ティッシュに水を濡らしてくる。
血が止まらない。
大変だと何度も水場に行ったり来たり。
すごい勢いで二階へ上って行き、 バンドエイドを持って来て手当してくれる。
「痛い」
「ちょっとね」
子供ながらに悪いことをしちまったと感じたアオトは、 布団の中に潜り込み、中を覗くと、頭を隠している。 泣いてたのかも知れない。
その後、一緒に外へ出る時、 自分の背丈の半分もある俺のバックを持ってくれる。
「アオト、ありがとうね」
「ボク、もうお兄ちゃんだから」
「そうだね」
血が出た時は面食らっていたアオトが車の中で、
「痛い」
「もうなんともないよ」
「ごめんなさい」
「どういたしまして」(笑)

雀鬼


[写真:3152]