■2006/01/21(土)
 Vol.13
今、町田の近くに住んでいる。私の住む町は、行き帰りに通り過ぎるだけで、町並みを見て歩きたいとは思えない程の環境であり、行政不信と嫌悪感を感じる。私でさえそう思うのだから、そこで育つ子供の行く末を案じる。まっとうな大人に育つことの方が奇跡だろう。大人たちが子供たちに不幸を作っているとしか思えない。
私の生まれ育った下北沢は、それに比べると商店街と住人が心良い関係を保った良い町であった。今日の隣近所への希薄な人間関係に比べて向こう三軒両隣を越えて、町全体の存在を子供たちですら互いに理解しあっていたものだった。
下北沢近辺の住民の生活は、全て小さな商店街でまかなえ、金銭的には余裕の無い時代であったが、必要なものは何でも揃っていた。老若男女、誰しもが過ごしやすい江戸文化に近い下北沢文化があったものです。交通の便も新宿や渋谷に10分足らずで行け、悪行や巨大文化が入り込まない住人文化があった。
何時の時からか、その下北沢も変化を見せ、時代の流れに沿っていったが為、若者中心の街作りがなされた。古くからあった生活観ある街並みが変わり、年寄りや外で遊ぶ子供たちの姿も消え去って夜行化されている。
2006年3月、住人中心であった下北沢も改革の波が押し寄せ、「補助54号線」と「駅前ロータリー」の事業認可を行政・権力が強行しようとする気配が伺われる。昔から「良き街づくり」をしてきた個別商業者の要望や意見をまったく受け入れず、行政権力と巨大企業が、その地を利しようとしている。下北沢を守る個別商業者たちが400軒の署名賛同店を得て区長に連絡を取り、面会を願うが、行政の長である区長は、「忙しいから会うつもりは無い」とうやむやに断り、区民の請願、陳情、要望を管轄の行政は聞きもしないという。その行政姿勢は政治の大原則から外れている。
巨大化した企業が立地条件の良い駅前に、全ての業種を揃えれば小売業者は今まで以上の打撃を受け、死活問題になる。全国にもシャッターを降ろした商店が建ち並ぶ街も少なくない。この問題は決して商業問題でなく、子供たちが育つ環境に多大な影響をもたらす。子供の教育問題のマイナス。それは犯罪にも結びつく。
行政と企業の結びつき、体質が、人々の生活感覚を希薄にし、家族の結びつきさえも破壊する。これから生きる子供たちの教育問題や、彼らが犯す犯罪に直結していることさえ気付けない政治行政は、無能というより悪行と思えてならない。
下北沢道場にて   雀鬼

[写真:shimo]

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